夏にはまだ早い季節。 新しい着想を得ることを求め、画家はアトリエの近くで散策をしていました。住宅街を抜け、少し広い場所へ出たとき、そこに、ひとつの光景を見つけました。
太陽はほぼ真上。強い陽射しが木漏れ日となって降り注ぎ、奥に広がる景色とのコントラスト。
茶色と緑の補色の関係に加えて、水平線を高い位置にした構図は拡がりと空気の存在を思わせてくれます。
この絵を寓意図として観ることもできます。
木の後ろにベンチがあります。写真であればそこにあるものは写ってしまうのですが、これは絵です。欲しくなければ描かなくてもよかったはずです。にもかかわらず描いてあるベンチ、しかも向こうを向いています。
このベンチは西洋絵画のリアリズムとは違う気がします。
力強い木の幹と木漏れ日が綾なす影、向こう向きに置かれたベンチ。
つまりこれは安東の決意を表しているとも云えます。
ベンチは彼岸の彼方を表し、その前に立ちふさがるエネルギッシュな木。影と光はさまよう魂。描き続けるんだという、画家の強い意志をこの絵で表現しているようにも見えます。
安東克典、Up North期の作品です。
絵のサイズ:490mm×685mm 紙のサイズ:600mm×795mm イラストボード・カラーペンシル
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