この物体は千葉県いすみ市の太東岬のあたりにあります。
安東がこれを描いたのは2004年頃でしょうか。この当時、安東は灯台シリーズとも言うべく、主に東日本にある灯台をクルマで巡っては印象に残ったものを作品として描いていたようです。これは灯台ではないようですが、漁港がそばにあり、そのためのなにかの目印として役目を果たしているものだと思います。
空を背景に安東の絵の特徴とも言える雲を設え、どーんと力強くコンクリートの台座に建つ様は画家の強い意志を表しているようにも見えます。
そして実際にここへ訪れてみました。2021年9月のことです。時刻は午前九時を少し過ぎた頃。台風が近づいていることもあり雲が多く波も激しいときでした。そこへ時折射す陽が目に眩しかったのを覚えています。安東が描いたものは右斜め上からの順光になっていますね、ここは背景側が東になります。光が順光になっているので画家は午後の夕方よりも少し早い時刻に訪れたのだと思います。
自分が訪れたときは安東が描いたものとは趣が異なり、様子が変わっていました。太平洋の波と房総の強い日差し、永い、長い年月において、風雪と茨の道を歩んできたのだと想像させます。
画家はこの風景を見て、なにを感じて描いたのか、それを知る由はありませんが、きっとこうだったんだろーなー、と、勝手に想像するのも鑑賞者に与えられた愉しみの一つです。自分には「これからの人生、絵を描いて生きていくんだ」という安東の輝ける希望を感じます。
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