目覚め

尻屋埼灯台。青森県下北郡尻屋崎に立つ灯台です。 高さは約30メートル、日本一高いレンガ灯台、梅雨入り前の6月のある朝の光景です。

朝の光は綺麗ですね。陽がまだ上らない夜明け、空が段々と白くなってきて、太陽が顔を出す直前、時間にして約15分ほどですが、とても美しい光が訪れます。

その光を描きたかったのか、灯台へモチーフを重ねたのか。それは描いた本人に尋ねても、きっとわからないことでしょう。

鑑賞者としてはただただ、その一切を愛でるだけです。

あらためて絵を描きたい、美への強い希求から画家は旅をしていました。
その旅の中で出会った一つの光景が灯台でした。
歳月と風雪の茨の道。荒波に揉まれてきた灯台の佇む姿に、画家は生と死というあたらしいモチーフを見つけたのだと感じています。

描き続けるのは自らの生をまっとうするため。それは果てしある挑戦とも言えます。
一つところに止まると書いて正しい、と読みますが、その一方、とどまり続けることは自らの濁りを意味します。

今は逆らえない流れの中に自分の身を置こう、そう感じていたのかも知れません。 安東克典、Down South期の作品です。

絵のサイズ:515mm×364mm 紙のサイズ:605mm×455mm イラストボード・カラーペンシル

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