鴨居玲はとてもいいよ、機会があったら見ておいたほうがいい、とのアドバイスをいただき観に行ったのが2015年。東京ステーションギャラリーで北陸新幹線開業記念として開催されていた「没後30年 鴨居玲展 踊り候え」でした。
初めて観たのですが、最初は圧倒されちゃってまともに見ていることが出来ず。強い圧力で腰が引けました。
実際に描いているところを見ていたわけではないのですが、この人夜中に描いてたんじゃないかなって感じました。絵を描く人は大抵昼間、自然光の中で描くのですが、夜、一人、ろうそくや裸電球のもとで描いていたような印象を受けました。
ものすごく上手いと思います。ただ、モチーフとしているものが破滅や自傷なので暗く、重いと言われるのも気持ちとしてはわかります。
ただ、それは画面から感じるもので、画家が描きたいのはそういうことではないと思います。しばらく観ていて、生と死を真摯に見つめるとこういうことになるんじゃないかなと、そんな印象を持って会場をあとにしました。