これがはかりめ丼です。
タレは少なくなると継ぎ足し継ぎ足しで10年ほど使われているもの。
富津のあたりをドライブしていると、あちこちで「はかりめ丼」と描いている看板をよく見かけていました。最初は気にも留めていなかったのだけど、たびたび「はかりめ丼」の看板を眺めている内にどんなものなのかと食べたくなってきちゃった。
そんなことを思っていて富津公園からの帰り、海岸線を南に下っていくと「寿司 活魚料理いそね」という看板を目にしたので入ってみました。
もちろんはかりめ丼をお願いしました。
お店の方に伺うとはかりめとはアナゴのことだという。
アナゴの姿形が魚市場で使われている棒はかりに似ていることからの呼び名であると教えていただきました。つまり「はかりめ」とはもともと魚市場で働く方たちの内々の言葉だったそうです。
いそね寿司はここで40年ほど前から営まれていて、いまは先代から受け継いだ若旦那が8年ほど前からお店を仕切っている。先代はというと今でも鮮魚の仲買人をなされていて、店で出す魚は地元の大貫漁港で揚がった魚を用いていると伺いました。
目の前が海を望むいそねは、平日でも観光で訪れる方が食事に寄られるそうです。
お客さんの平日の割合は観光5割、地元5割。これが休日になると観光7割、地元3割くらいの流れ。行列になることもしばしばあり、土日祝日の訪問ではご予約をお勧めしますとのことです。
行列というのはそのコンテンツの質をわかりやすく保証しますね。コンテンツが出来てモデル化され、行列ができるとそれがエピデンスとなり、人は期待する、そしてコンテンツの質が高まり、モデルがどんどん最適化されていき、上昇へのスパイラルが起こる。その次にあるのがブランド化ですが、そういう意味でいそねは富津を代表するお店だと思います。
この辺のメニューは日替わり、その日その日で揚がりが違うので一期一会
自分は平日の、それも大雨の午後2時くらいにお邪魔したのですが、それでも店内はいっぱいで30分ほど待ちました。
美味しいものを食べると自然と笑顔が溢れるから不思議です
はかりめ丼、そもそもは2007年に富津市商工会が音頭を取って、富津の魚介類を広めるために企画、富津を代表するB級グルメとして評価されているらしいのですが、食べた印象ではB級なんてとても呼べない、手間のかかった料理だと思いました。
見つけたのはたまたまですが、次からはわざわざ食べに行く価値のある、いそねのはかりめ丼でした。