この街に見える丘の上の方から飛んでくるカラスの群れを呼び戻してみようかと考えたの一体いつのことだろうなんて思い悩んでいる君の横顔はとってもきれいでとてもじゃないけどこの僕を捨てようと考えているとは思えないぐらいでおかげで僕は君に振り回されていることに気づいてしまっているのにそれでもまだ君のあとを追って君の思いのままに動いてみせるあやつり人形のような存在でこの馬鹿げた空気をぶち壊すのも恐ろしくって僕にはとてもできないよと云うと君はいつものようにただ微笑んで煙草をふかしているだけさ。茶店の中の空気はどうも僕にはいくらか冷たすぎて、寒いよと君に寄り添うと君は別に逃げる素振りも見せはしないし、かといって僕の冷えた心を暖めてくれる程の優しい仕草も見せてはくれないけれど あはっまたこのパターンかって思っているのかい素敵な君よ 君を誘うのはいつも僕の役目で僕の心あやつるのもやっぱり僕の役目であるはずが 君の顔見るたびに乱れて崩れて心さえ動かせぬ程に見据えてしまう 僕はまた君の煙草の煙で涙ためてみるのに 外はそろそろ暗くなりかけているのか茶店の中の空気はだんだん語らう言葉さえはしゃぎすぎているように思えてきて 水割り片手に笑い合う人たちはいつでも僕より幸せそうで ああこんな空気ぶち壊してしまいたいと叫べたらどんなに心地よいことだろうか 僕の隣りには君がいるはずなのに確かに君はここにいるのに君の心のなかに入り込めないなんてなんて悲しいことなのだろうね 一体君は今どこにいるんだい空の上風の中花と語っているのかい素敵な君よ 君を僕は素敵としか云えないんだね そして君は微笑んでしかくれない 昨日嵐があって僕の心を飛ばしてくれようと試みたらしいんだけれど 僕は飛ばされてしまう程の重力さえ感ぜずに風になびくあしの葉っぱみたいだよ