2020年2月29日、この日は自分の誕生日でした。暖冬とはいえ、とても暖かい陽射しの中、都営まるごときっぷで鬼子母神へ向かいました。本八幡からだと都営新宿線を神保町で三田線に乗り換え、西巣鴨を経由して新庚申塚でさくらトラムに乗り鬼子母神前に着きます。
着いた頃はちょうどお昼時でした。お腹も空いたので鬼子母神とは反対側へ歩き、目についた定食屋でご飯を食べます。ふりかけの袋がついていて、それがなんだかとても嬉しく感じ、今日の日を象徴しているように感じました。
食事の後、てれてれと鬼子母神へ向かって歩いていると、あちこちにふくろうがいます。でも、どれもなんだかピンとこない。自分のイメージしているふくろうとなんだか少し違うのです。
すこし歩き回り、連れが行きたいと言っていた猫の雑貨屋へと向かいました。
猫にも雑貨にも興味がないので連れを店に残し雑司が谷の商店街をうろつく、と、古本屋を発見。本には俄然興味があるので入口から中をこっそりと覗き、目で挨拶を交わしてから入る。
店の奥までいくと店主がいた。なんだかとても不思議な感じのする人だった。
「いい店ですね」、と、思わず間の抜けたことを言ってしまう。こういうお店の雰囲気好きなんです。じつは実家を画廊にしようとしていて、などと訊かれもしないのに話しだすと、古本の取り扱い以外に占いもやっているという。
「ちょっと見てもらえますか」
「このあと予約が入っているから10分だけなら」
タロット占いをしていただきました。名前、生年月日を書くとカードを切れと言われ、頭に浮かんだ数字はと続く。あとはカードを手際よく並べていく。
「なにを知りたいの」
「画廊のことについてお願いします」
ひとしきり画廊の今後についてのアドバイスをいただき、これから一定の期間に訪れたほうがよいところを教えてもらいました。
あとでネットで調べてみたら、タナミ ユキさんという方がされている、かなり有名な占いの方でした。
この日に雑司が谷へふくろうを探しに行こう、猫雑貨へ行ってみたいと、連れが言い出さなければ、そして天気に恵まれた散歩日和でなければ、この出会いはなかった。
雑司が谷は漱石縁の地でもある。その小説のタイトルを冠した喫茶店「それから」へ行き、午後のお茶をした。
雑司が谷でふくろうを探す
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